病棟別の売上高人件費比率をkintone(キントーン)で集計

こんにちは。kintone(キントーン)導入支援のギャンです。
今回はkintoneで病棟別の売上高人件費比率の集計を簡易的に実現した事例をご紹介いたします。

中小病院における部門別損益管理の現状

ある程度の規模の企業であれば部門別の損益管理を行われているかと思いますが、部門別に管理するためには売上だけではなく、原価や販管費についても部門別に管理する必要があります。しかし病院、特に中小規模の病院においてはほとんどの病院で経理コストがかかり過ぎるため部門別に仕訳されておらず、売上についてのみ入外別、病棟別で管理されているのが現状です。なかには診療科別、医師別の売上管理まで行われているとこともありますが、あくまでも売上の管理だけで、原価や人件費などの販管費については病院全体での管理に留まっているのが現状です。

kintoneで病棟別の売上高人件費比率を算出

今回の事例の病院は200床強の規模の中小の精神病院ですが、kintone導入時のヒアリングにおいて、病棟、外来について、売上に対する職員の病棟ごとの人員配置が適切であるかを把握したいとの要望がありました。そこで病院と相談した結果、病棟ごとの売上と人件費を集計することで、売上高人件費比率を指標として病棟ごとに比較、推移を把握できるようにすることとしました。職員の人件費は給与システムから連携できればよいのですが、今回はシステム的に連携は困難でしたので、kintoneに職種ごとの人件費マスタと、病棟ごとの職種ごとの人員配置マスタを作成し、年に1回給与改定のタイミングで計算により求めた値を人件費マスタに、人員配置については見直しを行ったタイミングで人員配置マスタを更新するようにしました。毎月、レセプト提出後に、レセコン(医事会計システム)より、病棟別に売上を集計すると同時に、病棟ごとの人件費も計算し、売上高人件費比率が算出できるようにしました。

病棟別売上高人件費比率アプリの画面イメージ

実際の病棟ごとの人員配置は、施設基準や病棟ごとの業務負担等から、適切であるかを判断されますが、その際の検討要素のデータのひとつとして、経営的な面から病棟ごとの売上高人件費比率のデータを活用されています。
なお、病棟だけではなく外来についても同様の管理を行われています。

このようにkintoneは、様々な業務アプリ(システム)を作成することが可能です。データの集計や計算も得意ですので、あとは材料となるデータさえあれば、色々な分析を行うことができます。また、それを自動で毎月行うことができますので、手間がかかりません。従来、人力で集計、計算していたことをkintoneに任せてみてはいかがでしょうか?