kintone(キントーン)で患者分布の地図

こんにちは。kintone(キントーン)導入支援のギャンです。
今回は「kintone(キントーン)で患者分布の地図」ということで、kintoneで患者の住所から地図上にピンを表示する「患者マップ」アプリを作成した事例をご紹介いたします。

患者分布の地図を作成

病院やクリニック、歯科にとって自院への外来患者がどのエリアからどの程度来ているのか?という情報は非常に重要です。そこで病院からの要望で外来患者の住所を元に、患者MAPを作成いたしました。地図としては、Google Mapを使用しましたが、Google Mapをkintoneで利用するためには、事前にGoogle Maps APIキーの取得が必要となります。

Google Maps APIキー取得手順

Googleアカウントの取得

Google Maps APIキーを取得するためには、まずはGoogleアカウントが必要です。Google アカウントの作成は以下で行えます。
https://accounts.google.com/signup/v2/webcreateaccount?hl=ja&flowName=GlifWebSignIn&flowEntry=SignUp&nogm=true
なお、Googleアカウントを登録する際に、クレジットカードを登録する必要があります。というのもGoogle Maps APIキーの利用について、ある程度までは無料ですが、制限を超えると課金されるためです。(詳しくは注意点として後述します)

Cloud PlatformでAPIキーを取得

Googleアカウントを取得したら、次にAPIキーを取得するために、まずはGoogle Cloud Platformへアクセスします。
https://cloud.google.com/
画面右上の「コンソール」をクリックして表示される画面の左上に「プロジェクトの選択」がありますので、そこをクリックし、「新しいプロジェクト」を任意の名前で作成します。プロジェクト作成後、「プロジェクトの選択」で先ほど作成したプロジェクトを選択し、そこで「APIとサービス」の「ライブラリ」を選択することで「Maps JavaScript API」を選択し「有効にする」をクリックします。同様に「Maps Embed API」と「Geocoding API」についても有効にする必要があります。
「Google Maps APIキー」は「APIとサービス」の「認証情報」を開いて「APIキー」の「Maps API Key」の「鍵を表示します」をクリックすることで表示されます。

「患者マップ」アプリ

患者分布の地図を表示する「患者マップ」アプリは、患者の住所から、緯度・経度を算出し、地図上にマッピングするのですが、今回は、JavaScriptカスタマイズを行って実現しました。一覧上のスペースに地図を表示するようにしたのですが、そこで一覧を条件によって複数用意することで、ぞれぞれの条件ごとの患者分布マップを表示することを可能としました。分析に必要な項目及び条件による一覧を追加することでオリジナルの患者分布マップを確認することができるようになります。

患者MAPアプリの画面
患者MAPアプリの画面例

地図については、GoogleMapの機能で、航空写真に切り替えたり、全画面表示にしたり、航空写真を傾けたりすることも可能です。なお、一覧に基づいた患者分布マップだけではなく、患者1人づつの詳細レコードにも地図が表示されます。

患者詳細地図画面
患者詳細画面

Google Map利用に関する注意点

Google Maps APIは、1 か月あたり 28,500 回までの地図読み込みであれば、無料で利用できますが、それを超える場合は、費用が発生いたします。例えば10万回地図読み込みを行った場合は、約700ドル=現在の為替レートだと10万円弱の費用が発生いたします。kintoneでの利用を考えた場合、そこまでの読み込みは発生しないはずですが、注意が必要です。また、APIキーが不正に利用されないようにアプリの制限をかけることができますので、kintoneで利用する場合には、HTTPリファラーの制限を選択し、kintoneのURL(****.cybozu.com)を設定しておくことで、kintone以外からのアクセスはできないようになりますので、設定しておくことをお勧めいたします。

プラグインでも地図利用可能

なお、今回はJavaScriptカスタマイズで実現した事例をご紹介いたしましたが、プラグインを用いることでもっと簡単に同様に地図上にマッピングする可能です。代表的なプラグインとしては、Tisの「住所/緯度経度変換プラグイン」があります。住所を入力すれば、該当する地図が表示され、緯度と経度も取得するプラグインです。
また、一覧画面への表示設定をすれば、画面に表示中の全ての拠点を配置した地図も作成出来ます。他にも同様のプラグインがありますので、検討されてはいかがでしょうか。

kintoneで患者分布の地図のまとめ

患者分布MAPと同じような形で、介護においても、通所介護(リハ)や訪問介護(リハ、看護)などの利用者についても分布MAPを作成できますし、もちろん、一般の企業においても、顧客の分布MAPを作成する等で利用することができますので、業種に関係なく有効活用ができるのではないでしょうか?また、レコードごとに地図を表示することで、現地訪問時に利用することも可能です。このようにkintoneと地図を組み合わせることで大変便利になりますので、ご活用を検討いただければと思います。お気軽にご相談下さい。