kintone(キントーン)で電子カルテを補う
こんにちは。kintone(キントーン)導入支援のギャンです。
「病院がkintone(キントーン)を導入する目的」という記事において、病院がkintoneを導入する目的の一つとして「電子カルテ等のシステムに足りない機能を補いたい」ということを書きましたが、今回は、電子カルテを補うために具体的にどういうことにkintoneが活用できるかということについてまとめました。
目次
電子カルテでできないことをkintoneで
電子カルテとは、略して電カルとも呼ばれますが、従来医師が紙のカルテに記入していた患者の診療内容や経過などに加え、看護記録や検査結果、検査画像などの情報を電子データとして保存したもの及びこれら様々な情報を管理するシステムです。電子カルテの基本的な機能については、診療録を記録・保存することですが、病院用の電子カルテだけでもたくさんのメーカーが製品を提供しており、機能は同じではありません。ある電子カルテでは標準の機能が別の電子カルテではオプションを導入する必要があったり、オプションでもその機能がなかったりします。仮にオプションがあったり、カスタマイズで機能を追加することができる場合もありますが、予算的に諦めざる得ないということもあります。このように電子カルテによってできること、できないことの違いはありますが、できないことを補うためにkintoneを導入されて活用されている病院はたくさんあります。また、電子カルテに機能としては備わっていてもユーザーインターフェイスが使いにくかったり、病院の業務フロー的に使いにくいという場合に、その機能の代替えとしてkintoneを活用されているケースもあります。
電子カルテを補うkintone活用の例
以下に電子カルテを補うkintone活用の例をまとめました。
委員会支援
病院で設置が義務付けられている医療安全や感染対策などの委員会ですが、電子カルテには対応する機能がありませんので、それらを支援するためにkintoneを活用できます。
医療安全委員会
「kintone(キントーン)でインシデント・アクシデント管理」に詳しく書いていますが、医療安全のインシデント・アクシデントレポートなどの作成をkintoneで行われている病院はたくさんあります。また、レポートの作成だけではなく、上長や医療安全委員会、院長等への報告や承認をプロセス管理機能を使ってワークフローを作成しペーパーレス化を実現するだけではなく、集計や分析など行い、更に医療安全委員会における議事録作成までkintoneを活用して実現しています。
感染対策委員会
感染対策委員会においては、感染レポートの作成や集計、医療安全と同じくワークフローや議事録作成などにkintoneを活用できます。
地域連携支援
「kintone(キントーン)で地域連携室の業務改善」で書いていますが、地域連携室では入院相談など、入院前の患者に関する情報を扱いますが、電子カルテでは患者IDがない患者の管理ができないため、kintoneで地域連携室の業務システムを作成し活用している病院もたくさんあります。
入退院管理
「kintone(キントーン)で入退院管理」で書いたように、電子カルテを導入したものの入退院管理の機能が使いにくいということで、kintoneで入退院管理アプリを作成し運用している病院もあります。なお、入退院については地域連携室も関与しますので、地域連携支援の一部として入退院管理を行う場合もあります。
手術管理
手術について、オーダーと診療行為としての手術については電子カルテの範疇ですが、そこに収まらない情報を記録、集計、分析するために、kintoneを活用される場合があります。
救急管理
外来として受け付けた救急患者については電子カルテに記録されますが、救急車を断った情報や、受け入れた場合の救急車の情報などについては電子カルテでは扱いませんので、そういった情報を記録し集計、分析するためにkintoneを活用できます。
kintoneで電子カルテを補うのまとめ
kintone活用の例に記載した以外にも、病院内の様々な業務に関して、電子カルテや他のシステムでは対応できない業務の管理のためにkintoneを活用できます。また、これらについては、Excelで管理したり、ACCESSやファイルメーカーなどで管理システムを作成している病院もあるかと思いますが、いずれもkintoneに比べると使い勝手や管理の手間がかかりますので、それらをkintoneで置き換えることもよくあります。このように電子カルテを補うシステムのプラットフォームとしてkintoneは非常に優れており、低コストで様々な業務システムを作成することができますので、活用を検討されてはいかがでしょうか?