kintone(キントーン)とFileMakerの比較
こんにちは。kintone(キントーン)導入支援のギャンです。
kintoneの導入を検討されているお客様において、「FileMaker(ファイルメーカー)で業務システムを構築しているけれど、kintoneに置き換えることは出来ないか?」というご相談を受けることがよくあります。ご相談いただく理由としては大きく2つあり、「FileMakerを構築した担当者が退職でいなくなったために、改修を行うことが難しい」というケースと「FileMakerのバージョンが古くなってしまってリプレースする必要があるのだが費用がかかる」というケースになります。そこで、今回は、「kintoneとFileMakerの比較」ということでkintoneとFileMakerを比較してみたいと思います。
目次
FileMakerとは
FileMaker(ファイルメーカー)とは、1985年にAppleの子会社クラリス社(旧ファイルメーカー社)によって開発された「リレーショナルデータベースをローコードで簡単に開発できるソフトウェア」のことです。ローコードで開発できますので、アプリを社内のニーズに合わせて開発することが可能となり、開発したアプリを用いて、さまざまな業務を円滑に進められるようになります。また、アプリ開発といっても、FileMakerが用意している多数のテンプレートから必要な画面や機能を選択し、組み合わせるだけで、アプリ開発を可能にしているため、開発者ではなくともアプリを開発することができます。
kintoneとFileMakerの比較
kintoneとFileMakerを比較するために、それぞれの優位な点をまとめました。
kintoneが優位な点
ノーコードで開発できる
kintoneはドラッグ&ドロップするだけでノーコードで業務アプリを開発することができます。CMではありませんが、文系管理職でもしゅっしゅっとアプリを作れてしまうほど、初心者でも簡単にアプリが作れる操作性という点でkintoneが優位です。
コミュニケーションができる
kintoneは組織内SNSとして利用できるほどコミュニケーション機能が充実しています。コメントやスレッド、ピープル機能などを使ってユーザー同士がコミュニケーションできる機能がありますが、FileMakerにはそういった機能はありません。
ワークフローができる
kintoneはプロセス管理機能を使用することで、稟議申請や勤怠申請などのワークフローを構築することが可能ですが、FileMakerにはワークフローの機能はありません。
サーバー管理が不要
kintoneはサイボウズの提供するクラウドサービスであり、サーバーの管理を行う必要が一切ありません。初期設定等もほとんど不要で登録すればすぐに使うことができます。 FileMakerは「FileMaker cloud」でクラウドで利用できますが、サーバーの管理画面の操作方法を覚えるなど、サーバー運用に知識・ノウハウが必要です。
FileMakerが優位な点
オンプレミスでの運用が可能
FileMakerは、クラウドで運用することもできますが、オンプレミスで運用することもできます。セキュリティ的にクラウドがNGの場合でも問題ありません。kintoneはクラウドサービスですので、オンプレミスで運用することはできません。
標準機能で何でもできる
FileMakerは標準機能が充実しており、どのような業務システムでも作ることが可能です。FileMakerの豊富な機能と柔軟性は大きな魅力です。kintoneは標準機能で実現できない場合、プラグインや連携サービスを活用したり、カスタマイズを行うことが必要になります。
帳票機能が標準で充実
FileMakerは標準で帳票機能が充実しており、用途に合わせて、印刷用のレイアウトを自由に作成できます。A4用紙はもちろんのこと、宛名ラベルや、ラベルプリンター、レシートプリンターへの出力も可能です。kintoneは標準機能では帳票は作成できませんので、帳票プラグインを利用する必要があります。
複数の入力フォームが作成できる
FileMakerはデータベースの目的や利用者に応じて、複数の入力フォームを作ることが可能です。kintoneは1つのアプリに入力フォームは1つしか作成できないため、項目数が多い場合、データ入力の作業効率が下がりやすいです。
kintoneとFileMakerの比較のまとめ
様々な業務アプリを作成できるという点では、標準機能か外部プラグイン、連携サービスの違いはありますが、kintoneもFileMakerも可能であり甲乙つけることはできないかと思います。アプリ作成、サーバー管理という導入、運用面で見た場合、kintoneの方が導入、運用のハードルが低く初心者でも利用することができますが、FileMakerの場合は、導入にはローコードとはいえ、ある程度のスキルが必要で、運用も同様にある程度の知識が必要です。つまり、誰が開発し、誰が運用するか?という観点からどちらが向いているかが判断できるのではないでしょうか?また、コミュニケーション機能やワークフローといったkintoneにしかない機能が必要な場合は、kintoneを選択することになるかと思います。
まとめ
冒頭で取り上げたお客様がkintone導入を検討される際の「FileMakerを構築した担当者が退職でいなくなったために、運用し続けることが難しい」という点については、FileMakerからkintoneに移行することで、改修や保守、運用が容易になりますので、kintoneをお勧めしています。また「FileMakerのバージョンが古くなってしまってリプレースする必要があるのだが費用がかかる」という点については、kintoneの方が費用的に安く済む場合が多い(FileMakerのライセンスをどうするのかによります)ので、利用目的等のヒアリングを行い必要なライセンス数等を洗い出して試算を行い比較するようにしています。さきほど比較のまとめに書きましたが、kintoneとFileMakerのどちらを選ぶかというのは、目的、体制、予算によって判断できるかと思います。